カートは、ただサーキットを走っているだけでも十分に楽しい。でも、レースに参加すれば、それ以上の楽しさを味わえると断言しよう。周りのドライバーたちといっしょに速さを競い合うレースでは、高揚感やゴールの瞬間の達成感はスポーツ走行以上のもの。また、自ずと真剣さが高まるレースでは、スポーツ走行で得られなかった発見や上達が生まれることもしばしば。あるカートショップのオーナーの、「1回のレース参加の意義は、3回分のスポーツ走行に匹敵する」という言葉が、その価値をよく表している。せっかくカートを購入したのなら、ぜひ一度はレースを体験してみよう。
では、どのレベルになったらレースに出てもいいのだろうか。その判断のひとつの目安は、一日のスポーツ走行で自分が不安や怯えを感じることなく、いっしょに走っている人たちにも迷惑をかけずに走れること。自分がそこに達したと思ったら、周囲の人に「そろそろレースに出てみようと思うんだけれど……」と相談して意見を聞いてみるのがいいだろう。
レース出場がスポーツ走行以上に楽しいのは、レンタルカートでも同じこと。特にレンタルカート専用コースでは、スプリントレースや耐久レースが盛んに行なわれている。レンタルカートからレーシングカートへと進むことなく、そのままレンタルカートでレースやスポーツ走行を楽しみ続けている人も、実は多いのだ。時にはホームコースを飛び出して、違うサーキットでレースやスポーツ走行を経験してみるのも、カートの楽しさをより豊かにしてくれるひとつの方法だ。