【レポート】ミッションカートレース 2019 ROK SHIFTER CUP 鈴鹿シリーズ 第4戦/第5戦

ROK SHIFTER CUP

第4戦は水越選手が、第5戦は東選手が優勝
マスタークラス勢も大活躍を見せる!

■2019年5月19日 ■鈴鹿サーキット国際南コース(三重県) ■うすぐもり→晴れ(ドライ) ■参加台数:第4戦 17台/第5戦 17台

2019 ROK SHIFTER CUP 鈴鹿シリーズが、5カ月間のブランクを空けて再び戦いの幕を開けた。5月19日に行なわれた第4戦/第5戦は、2019年に入って最初の、そして令和最初のレースだ。全6大会/11戦の2019シリーズは、ここから中盤戦を迎える。
出走17台の中、ポイントリーダーとしてこの大会に臨むのは、未勝利ながら86点を獲得している東拓志選手(NEXT-ONE Racing)だ。ランキング2・3位には、第1・2戦のウィナーで62.5点獲得の廣岡陸勢選手(トレンタクワトロ)と、4戦すべてでポイントを取り53.5点獲得の金田翔選手(TAKAGI PLANNING)が着けている。
タイムトライアルは、直前に降った通り雨でコース全面がしっとりと濡れたコンディションで行なわれた。ここで岡本孝之選手(ハラダカートクラブ)がひとりスリックタイヤをチョイスして、他を2.5秒近くも引き離すトップタイムをマーク。35歳以上のマスタークラスのドライバーがポール獲得という快挙を成し遂げた。岡本選手以外にも、西野武志選手(LYNX)が3番手、石田健志選手(パワーワークス)が4番手、大道雅文選手(ハラダカートクラブ)が6番手とマスタークラス勢が大挙上位に着け、難しい路面コンディションでさすがの腕前を披露している。
タイムトライアル2番手は水越健太選手(MOMOX KART RACING)。東選手は13番手、廣岡選手は最後尾の17番手から第4戦をスタートすることとなった。

第4戦/Round4(10LAPS)

第4戦優勝の水越選手

タイムトライアル終了後に路面はたちまち乾き、10周の第4戦はドライコンディションの下で行なわれた。スタートではポールの岡本選手が「緊張はしていなかったけれど失敗しました」と動き出しが遅れてしまう。替わって水越選手がトップに、5番グリッドの金田選手が2番手に浮上して、1周目からこの2台が後続を引き離した。その後方では、伊藤慎之典選手(HRT&チャリ走!GO!KART!)が11番グリッドから一気に3番手へ上がり、東選手と廣岡選手も4・6番手にジャンプアップを果たした。
レース中盤、水越選手は金田選手のシフトミスに乗じてリードを広げると、以降のラップもプッシュを続けて単独走行でフィニッシュ、今シリーズ2度目の参戦で1勝目を果たした。
一方、金田選手のテールには伊藤選手をパスした東選手と廣岡選手が接近し、やがて伊藤選手を含めた4台のセカンドグループが出来上がった。するとラスト2周で東選手が金田選手の真後ろに追いつき、2台はチェッカーが降られるコントロールラインをほぼ横並びで通過。この勝負は、東選手が0.025秒差で先着して2位をつかみ取る結果となった。金田選手は最後に逆転こそ許したが、第2戦に続く3位を獲得。廣岡選手が4位、伊藤選手が5位でチェッカーを受けた。
マスタークラスでは、オープニングラップに7つポジションを上げた佐藤奨二選手(INTREPID JAPAN CORSE)が6位でフィニッシュして、2年ぶりの実戦復帰でクラス最上位を獲得。スタートで順位を下げた岡本選手も、以降はコンスタントに周回を重ね、7位でゴールして「次は6位以内を狙います」と気を吐いた。

WINNER:水越 健太 選手
「金田選手は後ろに着いてくるだろうけれど、自分がミスなく走れば差が詰まることはないと思っていました。金田選手との差が開いた後も、プッシュプッシュで最後まで走りました。昨日いろいろテストをした結果、乗り方もセッティングもいい方向に行って、仕上がりはかなりいい状態になっています。次の第5戦で2番グリッドに並ぶ東選手はかなり手強い相手だけれど、集中してミスなく走り切って、このまま1位を守りきりたいですね」

2nd PLACE:東 拓志 選手
「13番グリッドからのスタートでは、去年最後尾からスタートした時のことを思い出して、前のカートの動きに注意しながら発進しました。レースの途中でミスして廣岡選手に前に出られたけれど、そのあと相手のペースが落ちてきて、また抜き返すことができました。トップとペースを比較してみても、第5戦ではいいレースができる手応えがあります」

3rd PLACE:金田 翔 選手
「スタートであそこまで(5番グリッド→2番手)上がれるとは予想していなかったので、あれで『この先が楽になったな』と思えました。カートはいい仕上がりです。途中2回続けてミスしたタイミングで前と離れてしまったけれど、そこからのペースはトップといっしょくらいだったので、第5戦はミスなく走ればいいレースができると思います」

第5戦/Round5(14LAPS)

第5戦優勝の東選手

サーキット上空を覆っていた薄雲は第4戦の後にあらかた消え去り、第5戦は快晴の下で行なわれた。スタート進行ではエンジンストールによるフォーメーションラップのやり直しが2度続き、レースは16周から14周に短縮されて戦いの火蓋を切った。
スタンディングスタートから1コーナーまでの加速競争では、2番グリッドの東選手が他を上回り、トップで1コーナーを通過した。2番手はポールの水越選手。3番手の廣岡選手の背後には8番グリッドから躍進の木下冬馬選手(ZENITH with HEROes)と金田選手が続き、まずはこの5台が先頭集団を形成した。
レースが4周目に入ると、東選手と水越選手が3番手以降を引き離し、先頭集団を抜け出していった。東選手は背後の存在を音で確認しながら全力で逃げ、水越選手は後半の勝負をもくろみながらその後を追う。すると9周目、この2台の間隔が開いた。ここから東選手は水越選手とのギャップをじわじわと広げて単独走行でフィニッシュし、2019シリーズ1勝目を遂げた。2位の水越選手は、東選手から約0.8秒後れてのチェッカーだった。
トップ争いの後方では、4番手浮上の金田選手が、一時は引き離された廣岡選手をレース後半に再び追い詰め、最終ラップには目前に捕らえた。だが、廣岡選手はこのピンチに動じることなく走り切り、3位を獲得した。4位の金田選手は表彰台に0.1秒ほど及ばなかった。
マスタークラスでは、スタート前に「ひとつかふたつ順位を上げたい」と語っていた岡本選手が、伊藤選手の追走を振り切って“有言実行”の2ポジションアップを果たし、クラストップの5位に。また、「マスタークラスではなく総合で世界大会の招待選手の座を獲得したい」と語る佐藤選手が、エンジンストールのため最後尾からのスタートとなったところから10台を抜き去り、7位でフィニッシュした。

WINNER:東 拓志 選手
「スタートは狙っていました。何回かスタートディレイになったので、路面が重くてけっこう怖かったです。レース序盤は、後ろに誰かがいることは分かっていたけれど、後半になれば自分の方が速い自信があったので、焦ることはありませんでした。単独走行になってからも、何が起きるか分からないので、最後まで全力で逃げました。この先も予選からトップを獲ってポイントを稼いで、インターナショナルファイナルの切符を獲得したいです」

2nd PLACE:水越 健太 選手
「スタートは大失敗でした。レース中盤でもイケる余力はたっぷり残っていたんですが、ミスをしてトップと離れてしまい、それが最後まで響きました。今回のレースはMAXクラスの後だったので、未知の路面に苦労しました。うれしい2位ではないけれど、大会全体を通して調子が良くて、次につながるデータも取れました。今度のレースではリベンジです」

3rd PLACE:廣岡 陸勢 選手
「レース序盤はうまくいったけれど、そこから思うようにペースが上がらなくて、後半はバテたこともあって前と離れてしまいました。最後に金田選手が追いついてきたのは分かっていたのですが、焦ってもミスするだけだと思って、気持ちを落ち着かせて走りました。満足できる結果ではなかったけれど、大きなポイントを取れたのはよかったと思います」

ROK SHIFTER 表彰式
マスタークラス 表彰式

【NEXT RACE】
2019 ROK SHIFTER CUP 鈴鹿シリーズ 第6戦/第7戦
2019年6月23日(日) 三重県・鈴鹿サーキット国際南コース

詳細はトニーカートジャパンの公式WEBサイトでご確認ください。

トニーカートジャパン 公式WEBサイト
https://www.tonykart.jp

ROK CUP 公式WEBサイト
http://www.vortex-rok.com/home_completa_eng.php