第3戦は水越健太が逆転&独走WIN
第4戦はまさかの結末で伊藤慎之典が初優勝を手にする

2021 ROK SHIFTER CUP 第3戦/第4戦

■2021年4月4日 ■鈴鹿サーキット国際南コース(三重県) ■晴れ(ドライ) ■参加台数:第3戦 15台/第4戦 15台

 2021 ROK SHIFTER CUPの第3戦/第4戦が、開幕大会から約5カ月のインターバルを経て、4月4日に三重県・鈴鹿サーキット国際南コースで開催された。このシリーズ戦は2020年の9月から2021年の8月に渡って年をまたいで実施され、2021年に入ってからのレースは今回が初めてのことだ。
 この大会には最年少16歳から最年長52歳のバラエティ豊かな15名のドライバーが参戦してきた。うち7名がノーマルクラス(15歳以上)、8名がマスタークラス(35歳以上)のドライバー。その中には今回デビューを迎えた全日本FS-125クラスの優勝経験者、17歳の嶋田隼人選手(ぴぃたぁぱん)の顔もある。
 大会当日は終日雨の天気予報だったのだが、早朝にぱらりと降った小雨はすぐに止み、第3戦のスターティンググリッドを決める5分間のタイムトライアルは完全ドライコンディションの下、全車スリックタイヤ装着で行なわれた。
 ここで47秒490のトップタイムをマークしたのは第2戦のウィナーの岩崎有矢斗選手(APSPEED with SOVLA)。総合2番手には47秒870でマスタークラスの岡本孝之選手(ハラダカートクラブ)が飛び込んできた。3番手以降には伊藤慎之典選手(HRT&チャリ走!GO!KART!)、佐藤凌音選手(INTREPID JAPAN CORSE)、小林弘直選手(HRT)と続く。マスタークラスでは、西野武志選手(LYNX)が総合9番手で部門2番手、加藤丈宜選手(MOMOX KART RACING)が総合10番手で部門3番手となった。

Round3

(10LAPS)

 第3戦開始時間の少し前に降った小雨はすぐに止み、どんより曇った空からもう雨粒は落ちてこない。10周の戦いはタイムトライアルと同じくドライコンディションで行なわれた。
 ROK SHIFTER CUPならではのスタンディングスタートでレースが始まると、岡本選手がセカンドグリッドから一躍トップに浮上。しかし、岡本選手は3コーナーで失速してポジションを下げてしまった。代わって先頭に立ったのは、6番グリッドから抜群のスタートダッシュを決めた水越健太選手(MOMOX KART RACING)だった。
 水越選手の後ろに続くのは伊藤選手と佐藤選手。そのさらに後方では小林選手、嶋田選手、スタートで順位を下げたポールの岩崎選手、岡本選手、新原光太郎選手(TAKAGI PLANNING)が一列となって4番手争いを繰り広げている。
 水越選手はタイムトライアルの不振から生まれ変わったかのような快走を続け、伊藤選手の接近を許すことなくラップを重ねていく。結局、水越選手と伊藤選手の0.5秒ほどのギャップは最後まで変わらず、水越選手が単独走行のままチェッカーをくぐって今シリーズの初優勝を遂げた。伊藤選手は2位フィニッシュで、第1戦の3位に続く今シリーズ2度目の表彰台に立った。
 接近戦を続ける4番手集団の中では、岩崎選手がぐいぐいと順位を上げてスタートの出遅れを挽回。やがてこの集団を抜け出した岩崎選手は、残り4周で佐藤選手もパスして3位でフィニッシュした。
 マスタークラスでは、岡本選手が4番手集団に加わったまま走り切り、総合7位で問題なく部門1位を獲得した。この集団の後方では西島毅選手(ぴぃたぁぱん)、西野選手、加藤選手がバトルを展開。残り2周で西島選手を逆転した西野選手が総合9位で部門2位、西島選手が部門3位を獲得した。

Rok Shifterクラス 上位入賞者– Round3

優勝
水越 健太 選手

コメント:
タイムトライアルで失敗したので、まさか1位になれるとは思ってませんでした。TTの後にセットを変えて、レースでは調子よく走れました。後ろから追われていたので、最後まで目いっぱいのペースでした。雨はほとんど走ったことがないので、次のレースで天気が崩れたら不安要素がいっぱいなんですけれど、また1位で帰ってこられたらいいですね。

2位
伊藤 慎之典 選手

コメント:
トップとはつかず離れずの展開だったんですが、後ろが離れていたので、第4戦にタイヤを残せるよう無理せず走りました。クルマは決まっていますし、悪くない手応えのレースでした。第4戦は雨が降らない方がいいけれど、天気は自分ではどうしようもないですからね。

3位
岩崎 有矢斗 選手

コメント:
前も同じことをやったけれど、スタートミスが痛かったです。あれで順位が落ちてしまいました。走り出してしまえばペースはいいので、課題はやはりスタートですね。第4戦はドライでもウェットでもどちらでもいいけれど、降るなら本降りになってほしいです。

マスタークラス 上位入賞者 – Round3

優勝
岡本 孝之 選手

コメント:
セカンドスタートだったので3番手くらいにはなりたいと思っていたけれど、1周目にシフトミスしてしまいました。ただ、前回までキャブレターの調子が悪かったけれど、それを替えたら非常に調子よくなって、手応えのあるレースにはなりました。

2位
西野 武志 選手

コメント:
ぜんぜんダメでした。雨用のセッティングと雨用のノイズボックスで出て行ったので、ペースが上がりませんでした。それでも最後に順位を取り戻せたので、まあまあのレースってところでしょうか。第4戦は雨がいいですね。ドサッと降ってほしいです。

3位
西島 毅 選手

コメント:
残り2周でインを締めすぎて抜かれてしまったけれど、それ以外はまあまあ落ち着いて走ることができました。第4戦は雨になりそうだけれど、雨のレースは自信があるので、Shifter Master Rokの1位を目指したいと思います。

Round4

(16LAPS)

 この日最後のレースが始まる30分ほど前に降り始めた雨は、徐々に勢いを強め、第4戦のスタートを迎える頃には本降りに。そして全車がレインタイヤを装着して挑んだ第4戦は、波乱続きの一戦となった。
 最初のハプニングはスタート前に起きた。ピットレーンからコースインした4番グリッドの佐藤選手のペースがまったく上がらず、佐藤選手はそのままピットロードへ。そしてヘビーウェットと化したコースでレースが始まると、5番グリッドの小林選手が、さらに西野選手がスピンを喫してしまう。
 続いて2周目には、首位キープでレースを開始した水越選手までもがスピン。これでトップは、伊藤選手をパスしてきた岩崎選手のものとなった。水しぶきを高く蹴立てながら疾走する岩崎選手は、3周目に1秒以上のアドバンテージを築くと、伊藤選手とのギャップを周回ごとに広げていく。
 コース上ではスピンが続発、さらに終盤には周回遅れになるマシンも次々と現れ、第4戦はサバイバルレースの様相を呈した。そんな中、岩崎選手は独りトップを快走し続け真っ先にチェッカーを受けた。ところがこのレースには、思わぬ決着が待っていた。
 最終ラップ、トップの接近に気付かないバックマーカーと岩崎選手のラインが交錯。これを避けきれなかった岩崎選手はバックマーカーに接触して、フロントフェアリングがずれてしまったのだ。悪夢のよう5秒加算のペナルティを受けた岩崎選手は、無念の3位でレースを終えた。
 替わって勝者となったのは、2番手のまま着実に走り切った伊藤選手。徐々に力を着け上位進出を果たしてきた21歳が、千載一遇のチャンスで初優勝をゲットだ。2位は新原選手。スタートでは6番グリッドから順位を下げたが、ファステストラップを叩き出しながら挽回を続け、ROK SHIFTER CUP二度目の参戦でこの結果をつかんだ。
 マスタークラスでは、岡本選手が第1戦から無敗の4連勝を果たし、総合でも4位に食い込んでみせた。また、最年長52歳の加藤選手が、難コンディションの中をトップと同周回で走り切り、総合6位で部門2位に。びしょ濡れの路面でスピンもコースアウトも犯さずきっちりフィニッシュした中土和徳選手(RS nakatsuchi)が、総合8位で部門3位の表彰台に上った。

Rok Shifterクラス 上位入賞者– Round4

優勝
伊藤 慎之典 選手

コメント:
チェッカー順では2位だったけれど、それでも結果は結果なので、1位になれてよかったです。雨量が増えてもクルマは決まっていました。自分の立ち位置が上がってきたとは感じているんですが、油断するとすぐにこの位置から転落すると思っています。今年参戦しているスーパーFJと日程が重ならないレースにまた出る予定なので、その時は気持ちを引き締めて臨みます。

2位
新原 光太郎 選手

コメント:
レインになってからの調子は悪くなかったんですが、ドライの調子が壊滅的でした。それに、スタートでミスして下がってしまいました。あのスタートミスがなければ勝てたレースだったと思います。今回は喜びよりも反省の気持ちが大きい大会になりました。

3位
岩崎 有矢斗 選手

コメント:
トップ独走中は、後ろとの距離を見ながらペースをコントロールして走っていました。後ろが結構離れていたので、余裕はありました。優勝できなかったけれど、フロントフェアリングのペナルティでもっと順位が落ちると思っていたので、3位はまだマシな結果だと思います。

マスタークラス 上位入賞者 – Round4

優勝
岡本 孝之 選手

コメント:
雨のレースは2003年以来でした。でも、3周くらい走ったら雨のライン取りも思い出しました。ただ、周りのみんなが速くて、ちょっと気落ちしました。今回はタイムトライアルで2位になれたので、次のレースはその延長で3位以内でゴールしたいです。

2位
加藤 丈宜 選手

コメント:
タイムトライアルと予選で失敗しちゃって、第4戦が雨になったので大勝負でセッティングを変更したら、それがうまく当たりました。レース中はとにかくコース上に留まることだけを考えて走りました。次はもっと上、1番を狙いたいですね。

3位
中土 和徳 選手

コメント:
タナボタです。3位は本当にたまたまの結果です。サバイバルレースになって、コースに留まって走り切ることだけを考えて頑張っていたら、この順位でゴールできました。次は実力でもっと上の結果を目指します。

Rok Shifterクラス 表彰式
Rok Shifter マスタークラス 表彰式

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2021年6月27日(日) 三重県・鈴鹿サーキット国際南コース
2021 ROK SHIFTER CUP 第5戦/第6戦