岩崎有矢斗、圧巻の2連勝
岡本孝之がマスターでは初の総合2位表彰台に!

2021 ROK SHIFTER CUP 第7戦/第8戦

■2021年7月25日 ■鈴鹿サーキット国際南コース(三重県) ■晴れ(ドライ) ■参加台数:第7戦 12台/第8戦 12台

 2021 ROK SHIFTER CUPの第7戦/第8戦が7月25日、鈴鹿サーキット国際南コースで開催された。2020年11月にスタートしたこのシリーズ(全5大会・10戦)は、いよいよ残すところ2大会・4戦のみ。チャンピオン争いも大詰めだ。
 第6戦終了時点でのポイントランキングは、15歳以上のノーマルクラスでは第2戦優勝の岩崎有矢斗選手(AP SPPED with SOVLA)が84点でトップに立っている。73点で2番手に着ける伊藤慎之典選手は、同じ鈴鹿サーキットの国際レーシングコースで行なわれているスーパーFJに参戦のため欠場。3番手には水越健太選手(MOMOX KART RACING)が47点で続いている。
 35歳以上のマスタークラスでは、岡本孝之選手(ハラダカートクラブ)がここまでの6戦すべて1位の快進撃で、オーバーオールでもトップとなる111点でポイントリーダーに。2番手は81点の加藤丈宜選手(MOMOX KART RACING)。58点で3番手に着ける西野武志選手は前大会での宣言どおり、サマーブレイクでこの大会はお休みだ。
 エントリーはノーマルクラス7台、マスタークラス5台の計12台。ノーマルクラスでは全日本カート選手権OKクラスで活躍中の16歳、大宮賢人選手(MOMOX KART RACING)が初参戦してきた。空は快晴。夏真っ盛りの鈴鹿サーキットは厳しい暑さに包まれた。
 まず行われたタイムトライアルでは、岩崎選手が48秒213の総合トップタイムをマーク。そこから0.05秒差で、デビュー戦の大宮選手が堂々の2番手をゲット。金田翔選手(TAKAGI PLANNING)が3番手に続いた。マスタークラスでは、岡本選手が総合6番手でクラスのトップを獲得。加藤選手と中土和徳選手(RS nakatsuchi)がクラス2・3番手に続いた。

Round 7

(10LAPS)

 10周で行われた第7戦。ROK SHIFTER CUPならではのスタンディングスタートでレースが始まると、佐藤選手が3台抜きの好ダッシュを決めて1コーナーへトップで入り、ポールの岩崎選手は3番手に後退。2番グリッドの大宮選手もスタートで出遅れて6番手に下がった。だが、1周目の3コーナー先でトップ集団の先陣争いがもつれ、そのチャンスを突いて岩崎選手がトップに復帰。逆に金田選手はここで順位を下げることとなった。
 トップ岩崎選手の0.4秒ほど後方には佐藤選手が。それに続くのは、やはり3台抜きを決めたマスタークラスの岡本選手だ。好調の岡本選手は、じわじわと佐藤選手に接近。一方、岩崎選手は徐々にリードを広げていき、折り返し点の5周目時点で、佐藤選手とのギャップは0.8秒に広がった。
 ここからさらに1秒以上へとリードを拡大した岩崎選手は、第8戦に向けてタイヤをセーブする走りに切り替えたのだが、その独走状態はまったく変わらない。結局、岩崎選手がポール・トゥ・ウィンで第2戦以来の2勝目を果たした。
 岩崎選手の後方では、佐藤選手と岡本選手が最後までタンデム走行を続けたが、ここは順位が変わることなくチェッカーを迎え、佐藤選手が2位に。逆転はならなかった岡本選手だが、ついに総合3位でゴールを遂げた。マスタークラスではもちろん1位だ。ノーマルクラスの3位には、1周目のポジションダウンを挽回してきた金田選手が入った。デビュー戦の大宮選手はノーマルクラス4位、総合5位でフィニッシュしている。
 マスタークラスでは、1周目の混乱の中で中土選手が加藤選手の前に出て2番手に上がったが、レース中盤に加藤選手がこれを再逆転してゴール。ところがレース後、加藤選手にはフロントフェアリング違反のペナルティが課され、中土選手がクラス2位、谷口伸也選手(ぴぃたぁぱん)が同3位という結果になった。

Rok Shifterクラス 上位入賞者– Round 7

優勝
岩崎 有矢斗 選手

コメント:
スタートでまた前に行かれちゃったのが残念だったんですが、前のふたりが飛んでいってトップに戻れて、その後はタイヤもセーブすることができたと思います。(トップに戻ってからの)ペースはけっこう落としていて、まだまだ上げられる状態でした。毎回の課題なんですが、次のヒートはスタートに真剣に取り組んでいきたいと思います。

2位
佐藤 凌音 選手

コメント:
岩崎君のペースがいいことは分かっていたので、スタートを狙っていました。トップに立った後の接触はもったいなかったと思います。そこから数周様子を見ていたら岩崎選手に離されていくので、それ以降は自分のペースを守りながら最善を尽くして走りました。岩崎君の速さにはちょっと驚いているんですが、第8戦はまたスタートで前に出たいです。

3位
金田 翔 選手

コメント:
1周目の3コーナーで順位が下がってしまって、その時はマズいなと思いました。タイムトライアルでもみんなタイムが変わらなかったので、これは抜けないかなと思ったけれど、自分のペースが思っていた以上によくて、うまく抜いてくることができました。トップの岩崎選手はタイヤをセーブしていると思うけれど、どうにかして攻略したいですね。

マスタークラス 上位入賞者 – Round 7

優勝
岡本 孝之 選手

コメント:
(総合)2番手に行けるかと一瞬思えたので狙っていたんですが、僕がちょっとずつミスするのに対して、佐藤君はミスしながらもちゃんと走りをまとめていて、なかなか差が詰まらずに抜くには至りませんでした。体力的には全然大丈夫でした。ただ、前回も同じような感じでいったら2レース目でけっこうキツかったので、ちょっと不安はあります。

2位
中土 和徳 選手

コメント:
1周目のゴタゴタの間に加藤さんの前に出ることができたんですが、そこから加藤さんのプレッシャーがすごくて、残り5周の表示を見たときに『まだ5周もあるのか』と(笑)。でも、レースらしいレースができたと思うし、楽しめました。スタートが得意じゃないので、第8戦ではスタートでミスしないように気を引き締めて頑張ります。

3位
谷口 伸也 選手

コメント:
体力の消耗との戦いだけでしたね。タイヤのエア圧も上がっていたし、暑さで自分の走りもあまりよくなかったです。次回、8月のレースはお休みして、秋以降のレースでまた頑張ろうと思います。

Round 8

(16LAPS)

 第8戦は16周。真夏の日差しに照らされながらのレースは、第7戦より6周分過酷さを増すこととなる。ポールの岩崎選手は、課題だったスタートを綺麗に決めてトップのまま発進すると、1周で背後に0.6秒ほどのギャップを築き、ここから周回ごとに2番手以下を引き離していった。4番グリッドの金田選手は、エンジン不調で後方集団に下がっている。
 岩崎選手に続くのは、スタートで佐藤選手をかわして2番手に上がってきた、マスタークラスの岡本選手だ。今までならここから佐藤選手の逆襲が始まるところなのだが、今回は逆に38歳の岡本選手が16歳の佐藤選手をじわじわと引き離していく。
 岩崎選手は、そんな背後での出来事を意に介する様子もなく、ひたすら独走。ただひとりラップタイムを48秒台に入れてリードを4秒以上に広げ、無敵の快勝を遂げた。2連勝、3勝目達成の岩崎選手は、ポイントランキングのリードも広げることとなった。
 岩崎選手の後方では、酷暑の中でも疲れを見せない岡本選手がレース後半を単独で走り抜き、チェッカーを受けた。かねてから「総合で上位を狙いたい」と語っていた岡本選手が、2位フィニッシュでついに総合の表彰台に立った。この快挙には周囲からも惜しみない称賛が寄せられ、「このメンバーだったら(全日本の)OKクラスで表彰台に立ったようなものだよ」との声も飛んだ。当然マスタークラスでは1位、開幕戦から無敗の8連勝だ。
 思うようにペースが上がらず苦しむ佐藤選手には、5番グリッドから追い上げてきた大宮選手が接近。残り2周で佐藤選手の扉をこじ開けた大宮選手がノーマルクラス2位となった。佐藤選手は同3位でゴールして、2戦連続のトップ3入りを果たした。
 最年長53歳の加藤選手は、1周目に11番グリッドから8番手へ上がると、真夏の厳しいレースをきっちり走り抜いてマスタークラス2位を獲得。序盤戦は加藤選手に食い下がる健闘をみせた中土選手が同3位となった。

Rok Shifterクラス 上位入賞者– Round 8

優勝
岩崎 有矢斗 選手

コメント:
今回は課題のスタートがやっと決まったし、ペースがいいことは分かっていたので、逃げ切れるなと思っていました。満足感は、スタートが決まった時点でかなりありました。チャンピオンのことはあまり意識してないんですが、いつもどおり走れば次も勝てると思うので、妙に考え込まずに次回のレースに臨みたいと思います。

2位
大宮 賢人 選手

コメント:
スタートはまだ完璧じゃなかったし、抜くのも手こずってしまって……。敗因はやっぱり予選のスタートミスですね。あれがなかったらもっといけたと思います。ミッションカートはそもそもラインがタイトなので、さらにそのインに入ることが難しいですね。でも、いろんなことが勉強できました。また出られるチャンスがあったら、ぜひ出たいです。

3位
佐藤 凌音 選手

コメント:
今回は第7戦よりちょっとペースがなくて、できる限り無理せずミスせずを意識しながら走っていたんですが、後ろの方がペースが速くて抜かれてしまいました。岡本選手の走りは、驚きでした。スムーズで速くて、今回は完敗です。このシリーズは、本当はスポット参戦のつもりだったんですが、このままでは終われないので、次こそ優勝を目指します。

マスタークラス 上位入賞者 – Round 8

優勝
岡本 孝之 選手

コメント:
(総合の)表彰台は念願でした。贅沢なもので、2位になると1位になりたくなりますね。後半に強いセッティングをしていて、体力のある前半のうちに佐藤選手を引き離そうと思って5周くらいベストの走りをしたら、狙いどおり引き離せたんですが、岩崎君に逃げられちゃったのがちょっと悔しいですね。この先は、1回でいいから一番になりたいです。

2位
加藤 丈宜 選手

コメント:
なんとかスタートで前に行けたものですから、この調子でいこうと思ったんですが、序盤のペースが悪くて苦しみました。後半はペースも戻ってきて、ベストタイムも後半で出せたので、よかったかなというところですね。次はとにかく岡本さんに近づけるように、いっぱい練習します。

3位
中土 和徳 選手

コメント:
ちょっと熱くなりすぎて周りが見えなくなってご迷惑をかけたので、それを反省して、次回はもっとしっかり走りたいと思います。やっとみなさんに絡ませていただける位置を走れるようになったんですが、まだ背中を見ている状態ですね。

Rok Shifterクラス 表彰式
Rok Shifter マスタークラス 表彰式

NEXT RACE

2021年8月15日(日) 三重県・鈴鹿サーキット国際南コース
2021 ROK SHIFTER CUP 第9戦/第10戦