2022 ROK SHIFTER CUP 最終戦
■2022年8月14日 ■鈴鹿サーキット国際南コース(三重県) ■曇り(ドライ)■参加台数:20台

2021年11月末の開幕戦から年をまたいで全5大会で行われてきた2022 ROK SHIFTER CUPは、いよいよシリーズ最後の一戦を迎えた。年間を通して獲得したポイントを有効4大会で集計した結果により、ノーマルクラス(15歳以上)とマスタークラス(35歳以上)の最上位者が各クラスのシリーズチャンピオンとなって、10月19〜22日にイタリア・サウスガルダカーティングで開催される世界大会“ROK CUP SUPERFINAL”に日本代表として招待される権利を手にする。
“ファイナルラウンド”と銘打たれたこの大会では通常と異なるポイントシステムが採用され、クオリファイング(タイムトライアル)/プレファイナル/ファイナルそれぞれの結果にポイントが付与される。3セッション合わせて最大150点の獲得が可能で、ポイントランキングにはまだ大きな変動の余地が残されている。
ここまで4大会のポイントランキングを見てみると、ノーマルクラスでは東拓志選手(NEXT-ONE Racing)が258点を挙げて他を大きくリード。マスタークラスでは岡本孝之選手(ハラダカートクラブ)が265点、小林弘直選手(HRT)が254点で3番手以下を引き離して接戦を展開している。
このファイナルラウンドに参加したのは、ノーマルクラスが初参戦の1名を含む10名、マスタークラスが10名の計20名。前日に台風8号が近くを通り過ぎた鈴鹿サーキットには、大会当日も不安定な天気予報が出ていた。
5分間のタイムアタックで競われるクオリファイングは、ドライコンディションで行われた。ここではノーマルクラスの岩有矢斗選手(APspeed with SOVLA)が48秒224の総合トップタイムをマークして、まず25点を獲得。2番手に丸山陽平選手(HRT)が、3番手に豊島里空斗選手(HRTwithカローラ新茨木CSI Racing)が続いた。マスタークラスでは小林選手が総合8番手のタイムでクラス1位となって25点を手中に。クラス2・3番手には3年ぶりに出場の佐藤奨二選手(TOKAIDENSO DSM)と西野武志選手(TAKETTI motorsport)が着けている。

クオリファングの後に雨が降ったが、雨雲はすぐに過ぎ去り、10周のプレファイナルはドライコンディションで行われた。
フロントロウの岩選手と丸山選手はポジションキープでレースをスタート。その後ろでは4番グリッドの水越健太選手(MOMOX KART RACING)が豊島選手をかわして3番手に浮上した。しかし、豊島選手は2周目に水越選手を抜き返して3番手に復帰する。
岩選手と丸山選手は0.5秒ほどのギャップを保ったまま周回を重ねていくが、残り3周となった辺りで丸山選手が岩選手に接近、2台は完全に一丸となった。すると岩選手は、残り2周を要所要所でしっかりインを閉めて走りポジションキープに専念。結局、岩選手がトップを守り切って1位でチェッカーを受け、シリーズポイントに50点を加算した。
僅差の2番手でこのヒートを終えた丸山選手は、フロントフェアリングのペナルティを受けてノーマルクラスクラス5位に後退。ラスト1周で先頭集団に加わった豊島選手が2位、単独走行の水越選手が同3位となった。ポイントリーダーの東選手は珍しくスタートで出遅れ、クラス7位でこのヒートを終えた。
マスタークラスでは、前の選手のスタートミスにつかえて出遅れた小林選手を、佐藤選手がかわして先頭に浮上した。しかし、小林選手は中盤に佐藤選手を抜き返すと、さらに前を行くノーマルクラスのマシンを立て続けにパス、総合4位でフィニッシュしてクラス1位と50点を獲得した。佐藤選手は復帰戦を堂々のクラス2位でゴール。その後方では西野選手と岡本選手が接近戦を繰り広げ、岡本選手が逆転に成功してクラス3位となった。
2022シリーズはこれで、次のファイナルを残すのみ。チャンピオン候補は、ノーマルクラスでは東選手、水越選手、岩選手の3名、マスタークラスでは小林選手と岡本選手の2名に絞られた。

先に行われたクラスのレースが降雨でディレイとなり、スケジュール進行に遅れが発生したため、ファイナルは16周の予定を短縮して12周で行われることとなった。
岩崎選手と豊島選手のフロントロウ2台は、ここでもきっちりスタートを決めてポジションをキープした。ただプレファイナルと違っていたのは、岩崎選手が他の追随を許さない速さを見せたことだ。オープニングラップでやや後続に差を付けた岩崎選手は、そのリードを4周目に0.8秒、7周目に1.5秒とぐいぐい開いていった。一方、豊島選手の真後ろにはスタートでひとつ順位を上げた小林選手が迫り、2台で2番手争いを繰り広げた。
その後方では、東選手が得意のスタートを成功させて9番グリッドから6番手に上がり、さらに前の2台を一気にパスして4番手までポジションアップしてきた。レース中盤から、その東選手を上回るスピードを披露したのが丸山選手だ。東選手を再逆転した丸山選手は、大きく開いていたセカンドグループとのギャップをどんどん縮めていった。
残り2周、丸山選手がセカンドグループを捕捉し、HRTのチームメイト3台が一列に連なって2番手争いの火花を散らした。そんな中でも、トップ岩崎選手の速さは衰えを見せない。最終的に約3秒までリードを広げた岩崎選手は、高々とナンバー1サインを掲げてチェッカーを受け、前大会から全セッション1位の快進撃で3連勝を果たした。
セカンドグループでは、最終ラップに丸山選手が小林選手を逆転。豊島選手が2位、丸山選手が3位でチェッカーを受けた。小林選手は最後にひとつ順位を下げたものの、マスタークラスながらあと一歩で総合の表彰台に上がる活躍を演じて今シリーズの同クラス6勝目を獲得、同時にマスタークラスのチャンピオンに輝いた。
東選手はプレファイナルの不振を覆す活躍を見せて総合5位でフィニッシュ、2019シリーズ以来のノーマルクラスチャンピオンを獲得した。
マスタークラスの2位は、ノーマルクラスの選手たちと接近戦を演じて総合7位に入った佐藤選手。それに続いてチェッカーをくぐった岡本選手がマスタークラス3位に入賞した。









今日のレースではいい結果を残せなかったけれど、チャンピオンは一年間の積み重ねで獲得できたものなので、満足しています。シリーズ前半は自分にアドバンテージがあるかなとも思ったけれど、後半は少し苦しかったですね。一年を通してスタートで前に出ることができたことが、自分の強みだったと思います。スーパーファイナルは、まだ参加確定とまでは言えないけれど、出たいと思っています。もし参加できたら、楽には勝てないだろうけれど、楽しみながらいい結果を残してきたいですね。

トラブルで落としたレースの他はすべて1位を獲ることができて、いい結果を残せた一年間だったと自負しています。マスタークラスにはうまいドライバーがいっぱいいるし、クラス全体のレベルも上がってきているので、次のシリーズでも負けないように頑張っていきたいと思います。スーパーファイナルは、まだ決定ではないけれど、出場する方向で考えています。出場が実現したら3回目のスーパーファイナルになるんですが、まずは予選を通過したいと思っています。
2022年12月11日(日) 三重県・鈴鹿サーキット国際南コース
2023 ROK SHIFTER CUP 第1戦/第2戦