第5戦は東拓志が接戦を制して4勝目
第6戦は水越健太が独走で今季初優勝

MASTERは小林弘直が2連勝

2022 ROK SHIFTER CUP 第5戦/第6戦

■2022年6月19日 ■鈴鹿サーキット国際南コース(三重県) ■晴れ(ドライ)■参加台数:第5戦 18台/第6戦 18台

 三重県・鈴鹿サーキット南コースで行われるROK SHIFTER CUP 2022シリーズは、全5大会のうち、折り返し点となる3つめの大会を迎えた。陽光が降り注ぐサーキットは6月中旬ながら最高気温が30度を越え、夏のような暑さに包まれた。
 ここに参加したのは、15歳以上対象のノーマルクラス7名、35歳以上対象のマスタークラス11名の、計18名のドライバーたち。第4戦までの総合ポイントランキングは、ノーマルクラスの東拓志選手(NEXT-ONE Racing)とマスタークラスの岡本孝之選手(ハラダカートクラブ)がともに145点で横一線に並んでいる。クラス間のみならず総合でのポイント争いも、そろそろ激しさを増す頃だ。
 公式練習に続いて行われた5分間のタイムトライアルでは、計測時間の終了間際にタイム更新合戦が繰り広げられ、16歳の丸山陽平選手(HRT)が48秒411で総合トップを獲得。2番手にはわずか1000分の3秒差で東選手が続いた。3番手には小林弘直選手(HRT)が着け、マスタークラスのトップに。4番手の水越健太選手(MOMOX)、5番手の井出七星翔選手(RSイディアぴぃたぁぱん)もトップから0.2秒差以内に着ける接戦状態だ。
 マスタークラスでは、岡本選手が総合8番手でクラス2番手、加藤丈宜選手(MOMOX KART RACING)が総合10番手でクラス3番手に着けている。

Round 5

(10LAPS)

 朝方に吹いていた風が止み、蒸し暑さの中で幕を開けた10周の第5戦。スタートではROK SHIFTERの経験豊富な東選手と水越選手がポールの丸山選手に先行し、さらに岡本選手も一気に7台をかわして3番手に上がってきた。4番手に後退した丸山選手は、2周目にさらにひとつ順位を下げた。
 水越選手はタイムトライアルでのセッティングの不具合が改善しており、トップの東選手にたちまち迫ると、2周目の1コーナーで先頭の座を奪う。すると東選手もすかさず逆襲、この周のうちにトップに返り咲いた。
 競り合う東選手と水越選手に、後続も接近。1周目のポジションダウンから挽回して3番手に上がってきた小林選手が先頭集団に追い付き、丸山選手も本来の速さを取り戻して先頭集団のテールを捕らえた。レース後半戦は4台一列でのトップ争いだ。
 残り3周、丸山選手が小林選手の前へ。トップ東選手から後れることなくラップを重ねた水越選手は、最終ラップの最終コーナーで逆転のチャンスをうかがうが、これは果たせず。結局、中盤戦以降を落ち着いて走った東選手がトップのままゴールして、ノーマルクラス4勝目を遂げた。水越選手は2位でフィニッシュして第3戦以来のポイントゲット。丸山選手は今季最上位タイの3位だ。
 小林選手はチームの後輩に3位を獲られたが、それでも総合4位でフィニッシュしてマスタークラスの1位となった。スタートで光った岡本選手は、単独走行の総合5位ゴールでマスタークラス2位に。ノーマルクラスの選手たちと集団で競り合った西野武志選手(TAKETTI motorsport)が、総合9位のゴールでマスタークラス3位となった。

ROK SHIFTERクラス 上位入賞者– Round 5

優勝
東 拓志 選手

コメント:
スタートは完璧とまではいかなくて、まずまずといったところでした。それでトップには出られたけれど、今までのように逃げることはできなかったですね。昨日からみんな同じくらいのタイムだったんで、こうなる予感はありました。バトルになってもいつもどおりの走りを心がけて、落ち着いて接触もなく走り切ることができました。

2位
水越健太 選手

コメント:
タイムトライアルでは雨上がりでエア圧も読めなかったので、ちょっとセッティングを外した状態でした。それを思えばいいレースができたかなと思います。東選手に着いていくことはできたけれど、相手も上手なので抜き切ることができなかったですね。第6戦もスタートを無事に決めてトップ争いができればいいなと思います。

3位
丸山陽平 選手

コメント:
スタートだけがもったいなかったですね。練習から調子がよかったので落ち着いてレースしようと思っていたんですが、ポールの緊張で周りの雰囲気にのまれちゃいました。後半はいいペースで追い上げられたけれど、悔しいです。次はこのいいペースを生かして上がっていけるように、スタートを決めて頑張りたいと思います。

MASTERクラス 上位入賞者 – Round 5

優勝
小林弘直 選手

コメント:
このヒートは点数でいうと90点くらいですね。やっぱり体力の面で置いていかれちゃうところがあるんで、そこを改善したいんですけれど、なかなか難しいですね。今回チームはそろって調子がいいです。次のレースは総合の表彰台に上がれるように頑張りたいです。

2位
岡本孝之 選手

コメント:
タイムトラアルでクラッチに変な感触があったんで、レース直前までバラして直してもらっていました。そのおかげで問題なく走れました。店長さんのおかげです。今まででいちばん感謝しました(笑)。小林選手は僕よりぜんぜん速いですね。第6戦でも、なんとか追い付いてワンチャンスあればいいかなと思っています。

3位
西野武志 選手

コメント:
クラス3位ですか? よかった! 前で若い子たちが競り合っていたんで、体力温存でバトルしないで後ろからのんびり観戦していました。体の面では、悪かった腰痛はだいぶ改善されたんですけれど、今度は腱鞘炎で手首がすごく痛くて、それを労わりながら走っていました。決勝も手首と相談しながら頑張ろうと思います。

Round 6

(16LAPS)

 午後2時過ぎの第6戦開始を前に、サーキット上空には薄い雲が広がったが、空は明るく天候の心配はない。空気は蒸し暑く、かなり体に厳しいコンディションだ。
 16周の戦いが始まると、フロントロウの東選手と水越選手がうまくスタートを決めたのに対して、丸山選手は3番グリッドから6番手までドロップ。岡本選手が5番グリッドから3番手に、保下総一朗選手(FLAX MOTOR SPORT)が8番グリッドから4番手に上がってきた。
 6周目、東選手を2〜3車身差で追っていた水越選手が、一発で東選手をパスして先頭に立ち、ぐいぐいとリードを広げていく。その後方では小林選手が岡本選手をかわして3番手に上がり、丸山選手も4番手までリカバーしてきた。丸山選手はさらに小林選手も抜き、8周目に3番手まで浮上だ。
 トップに立った水越選手は他を0.1秒以上上回るベストラップを叩き出しながら後続を引き離し、第5戦の接戦からは想像できなかった独走劇を披露。終盤にはリードを2秒以上に広げ、圧勝で今季1勝目を飾った。
 一方、2番手を行く東選手には丸山選手が急接近し、残り4周で2台は一丸に。しかし、ここで東選手も発奮。巧みにラインを変えて丸山選手の逆襲を封じ込め、2位の座を守り切った。丸山選手は2戦連続の悔しい3位だ。
 小林選手を頭にした4位争いの集団には、スタートの出遅れを挽回してきた豊島里空斗選手(HRT with カローラ新茨城CSI Racing)が加わり4台一丸に。ここは小林選手がポジションを守り切って、総合4位でマスタークラス2連勝を遂げた。豊島選手は総合5位でノーマルクラス4位に入賞。総合6位の岡本選手が、今度もマスタークラス2位となった。
 前日にメインエンジンが壊れてスペアのエンジンで奮闘した保下選手は、総合7位のゴールでノーマルクラス5位に。総合9位でレースを終えた西野選手が、第5戦に続きマスタークラス3位となった。

ROK SHIFTERクラス 上位入賞者– Round 6

優勝
水越健太 選手

コメント:
久しぶりに優勝できてすごくうれしいです。スタート直後から自分のペースがすごくよかったし、後ろも詰まっていたので、早めにトップを抜いて逃げようと思いました。セッティングは第5戦から何も変えていません。優勝できた要因は、もちろんチームとメカニックです。次のレースでも勝って勝ち癖をつけられるように頑張りたいです。

2位
東 拓志 選手

コメント:
スタートでは第5戦より前に出ることができたけれど、その直後にミスして追い付かれてしまいました。自分としてはカートの動はいいと思っていたんですが、気が付いたら水越選手に並ばれていました。レースを甘く見ていた部分があったのかもしれません。終盤は丸山選手の方が速かったけれど、2位は死守しようと思って頑張りました。

3位
丸山陽平 選手

コメント:
終盤、東選手に追い付いた時点でタイヤが限界を迎えていたのかな、という感じでした。走ることだけで精一杯の状態で、抜きに行けないまま終わってしまってすごく悔しいです。狙っているのは優勝なので、納得できるレースではありませんでした。ただ、速さは自信を持つことができたので、次はスタートを決めて優勝したいです。

MASTERクラス 上位入賞者 – Round 6

優勝
小林弘直 選手

コメント:
マスタークラスで1位になれたことはうれしいんですが、総合で4位というのはちょっと悔しいですね。岡本選手が後ろにいてプレッシャーはあったけれど、集中力を高めて走っていたので、抜かれずゴールすることができました。次回のレースが約1ヶ月後にあるので、暑さ対策のトレーニングをして臨もうと思います。

2位
岡本孝之 選手

コメント:
(目の前にいた)小林君と僕とで速いところが違って、抜きどころがなかったですね。勝負を仕掛けて抜けなかったのなら諦めもつくけれど、仕掛けられなかったのが悔しいです。でも、今年のマスタークラスは面白いですよ。次のレースでは打倒、小林君はもちろんのこととして、全体で3番手に入りたいですね。

3位
西野武志 選手

コメント:
総合のシングルフィニッシュはうれしいけれど、マスタークラスで前の2台に離されたことがショックだったので、次のレースに向けて体力トレーニングに励もうと思います。次のレースでは岡本君を射程圏内に捕らえられるように頑張りたいです。腱鞘炎は痛み止めや電気マッサージ器で手当して、なんとか耐えることができました。

ROK SHIFTERクラス 表彰式
ROK SHIFTER MASTERラス 表彰式

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2022年7月17日(日) 三重県・鈴鹿サーキット国際南コース
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