2023シリーズの開幕戦で新世代が躍進
豊島里空斗と丸山陽平が初優勝を飾る!

2023 ROK SHIFTER CUP 第1戦/第2戦

■2022年12月11日 ■鈴鹿サーキット国際南コース(三重県) ■晴れ(ドライ) ■参加台数:第1戦 19台/第2戦 19台 ■写真 野崎泰佑/小岩政彦

 今季のROK SHIFTER CUPは、三重県・鈴鹿サーキット南コースを舞台とする『鈴鹿サーキットシリーズ』と、3つのサーキットを全4大会/7戦で転戦する『GPRシリーズ』の2本立てで行われる。2022年12月11日、その口火を切って鈴鹿サーキットシリーズが開幕を迎えた。
 2023鈴鹿サーキットシリーズは2022年9月1日から2023年8月31日を期間として、鈴鹿選手権シリーズ カートレース IN SUZUKAと同時開催の形で、全5大会/9戦で実施。この日行われたのは、その第1戦/第2戦だ。
 この日の大会は、2022年末をもってカートタイヤ事業から撤退するブリヂストンに感謝を表して、『Thanks BRIDGESTONE』と銘打って開催されるもの。ブリヂストンYLR/YLPをワンメイクタイヤとして行われてきたROK SHIFTER CUPも、その6つある開催クラスのひとつに加わった。エントリーはノーマルクラス8台、マスタークラス11台の計19台だ。
 大会当日のサーキットは、まずまずの好天。公式練習に続いて行われた5分間のタイムトライアルでは、ノーマルクラスの豊島里空斗選手(HRTwithカローラ新茨木CSI Racing)が47秒897の総合トップタイムをマークして第1戦のポールポジションを獲得した。1000分の8秒差でそれに続いたのは水越健太選手(MOMOX KART RACING)。3・4番手には酒井畝那選手(ABout Factory)と丸山陽平選手(HRT)が着けた。
 マスタークラスでは、佐藤奨二選手(TOKAIDENSO DSM)が総合6番手でトップに。クラス2〜4番手には小林弘直選手(HRT)、橋本直樹選手(NEXT-ONE Racing)、西野武志選手(TAKETTI motorsport)が続いた。

Round 1

(10LAPS)

 ROK SHIFTER CUPならではのスタンディングスタートで10周のレースが始まると、豊島選手、水越選手、酒井選手のグリッド上位3台は甲乙つけがたいスタートでポジションをキープしたまま発進した。
 その後方では、9番グリッドの保下総一朗選手(FLAX MOTOR SPORTS)が見事なスタートダッシュで4番手に浮上、さらに3周目には酒井選手をパスして3番手に上がる。2022シリーズ王者の東拓志選手(NEXT-ONE Racing)も、8番グリッドから3周で4番手に上がってきた。だが、東選手と酒井選手は6周目の最終コーナーでストップ。これで丸山選手が4番手に戻った。
 上位3台は数車身差の等間隔で周回。そこに丸山選手がだんだんと近づいてくる。この状態のままレースはフィニッシュ。最年少15歳の豊島選手が初優勝を飾った。水越選手は豊島選手との接近戦には持ち込めなかったものの、2位でチェッカー。保下選手はそこにしっかりと続いて3位表彰台をつかみ取った。
 マスタークラスでは、小林選手が序盤戦で佐藤選手の前へ。この2台はゴールまで僅差のタンデム走行を続け、小林選手が総合5位のゴールで開幕戦のウィナーに、佐藤選手が0.2秒弱の差でクラス2位となった。その後方では加藤丈宜選手(MOMOX KART RACING)がポジションアップ。総合12番手のグリッドから4つ順位を上げ、クラス3位でチェッカーをくぐった。

ROK SHIFTERクラス 上位入賞者– Round 1

優勝
豊島里空斗 選手

コメント:
1位でゴールできたのはうれしかったけれど、序盤のペースがぜんぜん良くなくて、タイヤの温度も低かったと思います。第2戦はセッティングを変えて、スタートから飛ばしたいです。

2位
水越健太 選手

コメント:
スタートで狙っていたけれど、豊島選手のスタートも良くて前に出ることができませんでした。そこからのペースも悪くなかったけれど、向こうもペースが良くて、着いていくのが精一杯のレースでした。

3位
保下総一朗 選手

コメント:
みんなと同じペースで走れたことが何よりうれしくて、自分の成長を感じられるレースでした。3位という順位には悔しさも残るけれど、まずは満足しています。

MASTERクラス 上位入賞者 – Round 1

優勝
小林弘直 選手

コメント:
そんなに調子がいいわけじゃなかったんですが、佐藤選手が前を抜きにいくいちばんいいタイミングでクロスをかけようと思っていたら、うまく前に出ることができました。第2戦もいけるところまで頑張ります。

2位
佐藤奨二 選手

コメント:
ちょっとスタートをミスしてしまいました。ペースは良かったけれど抜くまでにはいかなかったので、小林選手に着いていきました。第2戦はもうちょっと良くなると思います。

3位
加藤丈宜 選手

コメント:
今年は絶不調だったけれど、8月のレースの後に走り込んで、やっと調子が上がってきました。次のレースはなんとか前のふたりに食らいついていきたいですね。

Round 2

(16LAPS)

 16周の第2戦でも、ポールの豊島選手と2番グリッドの水越選手はポジションをキープして発進。その後ろでは伊藤慎之典選手(HRT)が7番グリッドからジャンプアップ、保下選手との攻防を制して3番手に上がってきた。丸山選手も2周目に保下選手をかわしてグリッドどおりの4番手に戻った。
 先頭を行く豊島選手は2周で0.9秒ほどのリードを築いた。だが、ここから2番手以降が豊島選手との距離を詰めてくる。3番手には伊藤選手をパスして丸山選手が上がってきた。9周目、丸山選手が2番手に。12周目、トップ争いの隙を突いて水越選手が丸山選手の前に出た。
 残り3周、再び丸山選手が2番手に浮上。伊藤選手も水越選手をかわして3番手に上がる。そして最終ラップ。丸山選手が豊島選手に盛んに勝負を仕掛け、そこに後続も急接近して、上位5台が一丸となった。最後の勝負は最終コーナー。0.029秒差でウィナーとなったのは丸山選手だった。待望の初優勝だ。
 豊島選手は僅差で悔しい2位。久々に参戦の伊藤選手が3位になって、HRTはチームで表彰台を独占だ。そして4位でフィニッシュしたのは、最終ラップに水越選手をかわした東選手。実に最後尾グリッドからの15台抜きだった。
 マスタークラスでは小林選手がライバルたちを引き離し、総合7番手で真っ先にゴールしたのだが、フロントフェアリングのペナルティで2連勝はならず。だが、小林選手はペナルティの5秒を加算されてもクラス2位に留まった。代わって勝者となったのは、スタートでの出遅れを猛挽回してきた佐藤選手だった。そのふたりとともにクラス3位の表彰台に上がったのは、中土和徳選手(RS nakatsuchi)、西野選手、橋本選手との接近戦を勝ち抜いた加藤選手だった。

ROK SHIFTERクラス 上位入賞者– Round 1

優勝
丸山陽平 選手

コメント:
第1戦からいいペースで走れると分かっていたので、普通にスタートすれば大丈夫だと思って、ひとつずつ着実にポジションを上げていきました。最後は(豊島選手と)どちらが勝ってもおかしくない展開で、僅差で勝ててうれしいです。

2位
豊島里空斗 選手

コメント:
第1戦でタイヤを使い過ぎたのか、ぜんぜんグリップしなくて辛いレースでした。最後はインを閉めるのを忘れてしまいました。

3位
伊藤慎之典 選手

コメント:
1年ぶりにROK SHIFTERのレースに出て、正直3位になれるとは思っていませんでした。HRTで表彰台独占もできて、うれしいです。

MASTERクラス 上位入賞者 – Round 1

優勝
佐藤奨二 選手

コメント:
スタートでミスって、ほとんどエンジンストールの状態になって後れちゃいました。あれがすべてでしたね。スタートの練習をしてまた出直します。

2位
小林弘直 選手

コメント:
スタートでぶつかってアライメントが狂ってしまって、苦しいレースでした。今後に向けて、今年以上にいい結果を残せるように頑張ります。

3位
加藤丈宜 選手

コメント:
なんとか結果を残すことができました。集団の中でも狙ったところで前に出て冷静に抜くことができたので、よかったです。

ROK SHIFTERクラス 表彰式
ROK SHIFTER MASTERラス 表彰式

NEXT RACE

2023年2月26日(日) 三重県・鈴鹿サーキット南コース
2023 ROK SHIFTER CUP 第3戦・第4戦